高円寺K’sスタジオ<ドラマティック・コラボレーション>
ごあいさつ
高円寺K’sスタジオは間もなく創立から4周年目を迎えます。これまでプロ・アマ問わず本当に多くの演劇関係者の方に利用していただきました。
多くの方が多種多様な企画をしてくださったおかげで、この4年間でスタジオには小規模ながら非常に強固な演劇的集合知が蓄積されてきました。
そこでこのたび、この集合知を何かの形で演劇界に還元することはできないだろうかと考え、<ドラマティック・コラボレーション>という企画を立ち上げました。
これは、ずばり「演劇的共同研究所」ということになりますが、ひとことで言えば演劇人にとって「自動車レースのピット」のような役割になりたいという願いが込められています。
たとえば日々、舞台や映像で演技をしている役者が、スキルアップやメンテナンスのためにワークショップやレッスンを受けるとします。通常だとそこで終わるのですが、高円寺K’sスタジオの<ドラマティック・コラボレーション>はそこで終わりではありません。例えばヴォイスのレッスンを受けたとすると、コーチはその俳優を注意深く観察し、特性や課題を発見します。そしてその俳優に必要だと思われる他のレッスンを提案します。そうすることで俳優は、自分に必要なレッスンを見つけやすく、それぞれの個性に合ったメンテナンスを行うことができます。それは、コーチ同士、しっかりと横のつながりのあるスタジオだからこそ可能なことです。
なお、「ワークショップ・オーディション」や「演出家や映画監督に見てもらえるワークショップ」なども当スタジオ含め多くの場所で行われていますが、<ドラマティック・コラボレーション>は純粋に俳優のメンテナンスやスキルアップを目的としたもので、それらの実践的ワークショップとは趣旨が異なるものです。
また、演劇学校や養成所のように、いろいろな授業を一斉にやるというものでもありません。実践で活動する俳優個人個人が、自分にとって必要だと心から思った時に、適切なアプローチを見つけることができる場所でありたいと願っています。
2019年4月26日
高円寺K’sスタジオ代表
日下諭